仙台シアターラボ トライアルにはプロ養成としての側面があります。
演劇をしたい。
更にはプロと一緒に演劇をしたいと考えた場合。
まず第一歩は学校の授業や部活レベルの時間のかけ方ではなく、
必要なレベルの公演製作のために、必要なだけの時間を逆算することが必要になります。
そして必要な時間が判明したらその時間稽古をするのです。
仙台シアターラボ トライアルはそうして創られています。
またスポーツと違って、演劇は日常的に考え続けることが稽古といえます、
公演をする為に知らないことを調べたり学んだりすることも演劇です。
戯曲が書かれた当時の時代背景などを調べて、その状況をどういう風に創造するべきかの方法も考えます。
「演劇にできる方法で創造する」ということを考えることがプロの演劇人に必要な知性だと思います。
公演では多くのことを学べます。
そしてそれによって人間的にも演劇人としても成長できるはずです。
成長を楽しめる人がプロとして残って行ける人だと私は思います。
公演を終えたらまず、公演期間を経て成長したことと、足りなかったこと(自分にできなかったことで今後必要なこと)を明確にします。
なぜなら成長こそが続けて行ける人の絶対条件だからです。
もし自分の成長を自分で意識的に促進していけず、更には1公演ごとに同じ不足や弱みを感じ続けている場合、または成長に無頓着な場合、表面的な楽しさしか味わっていないと言えると思います。
どんな方でもプロの方は自分の仕事で成長しています。
そしてプロは継続してこそプロなのです。
1年だけのプロや、1公演だけのプロはいません。
演劇を集団で何年も同じ目的意識を持って続けることがプロには必要だと思います。
俳優は様々な演出家と出会い、様々な方法論を実行するかもしれません、
しかしただ通過した方法論は単発のWSと同じく、1年後の自分が出演する公演で活かすことはできません。
ただ深くは知り得ていない方法論でも、自分たちの仲間で自分たちなりに実行し批評することで自分たちなりのものとして公演に活かすことは可能です。
トライアルで経験した稽古方法や、方法論は是非自分達の所属先である演劇部や劇団で実施して欲しいと思います。
そして今後は自分たちでスケジュールをたて、調べたことを演劇化するやり方を方法論化し、オリジナルの演劇を考え始めてほしいと思います。